2025年1月 vol.278

2025年01月10日

 令和7年の新春を迎えるにあたり、謹んでお慶び申し上げます。

 

 昨年は、元旦を襲った令和6年能登半島地震という大変な出来事で幕が開き、支援物資を乗せた自衛隊機の事故が続くなど、痛ましい記憶が刻まれた一年でありました。被災地の復興の遅れを耳目にするたび心が痛みます。政治経済の分野においては、17年ぶりとなる日銀の利上げや記録的な円安の中で、日経平均株価の最高値更新が失われた30年に終止符を打ちました。しかし、後に植田ショックと形容された8.5の株価大暴落に象徴されるように足元経済はまだまだ不安定です。後半には石破内閣の発足、海外でもトランプ前大統領の返り咲きが決まるなど、正に変化の一年でありました。

 

 こうした中、私どもの生活は輸入インフレとも表現すべき状況に見舞われています。資源の多くを海外に依存する我が国にとって、長引く円安が経済を逆回転させている印象は否めず、加えて国内の労働力不足が重なり、物価上昇と賃金上昇との乖離で個人消費は伸び悩んでいる状況と言えます。宮城では、PSMCの進出が白紙となる残念なニュースがありました。地元の落胆は大きいものとなりましたが、明るい話題としては、次世代放射光施設ナノテラスの本格稼働や、東北大学が国際卓越研究大学の認定を受けるなど、仙台の国際化や経済発展を大きく前進させるものと各方面から大きな期待が寄せられています。

 

 本年は巳年であります。巳は、金運をもたらす動物としても昔から人々の信仰を集めて参りました。脱皮を繰り返しながら成長を続けることから、再び株価は上昇トレンドを描き日本経済も着実に成長軌道に導かれることを願います。

 

 さて、本年の当社の展望について、市場の予想を交えながらお話ししたいと思います。令和6年はコロナの影響が緩和され、宮城県内ではインバウンド需要の伸びが著しく、仙台市内や観光地を中心に従来の活気を取り戻しつつあります。宮城の知名度が国際的にも浸透することで、地域経済の活性化につながることは言うまでもなく、不動産に対しても内外の投資家などから熱視線が注がれる絶好の機会となることを期待します。私は、本年は昨年以上に変化の大きい年になると考えております。マクロ的には、トランプ大統領の誕生により米中対立の構図が鮮明となり、我が国をはじめ、各国の対処が世界情勢を大きく左右するのは必然と言えるでしょう。また、侵攻や内戦などの緊張の火種が世界各地に燻っており、地政学上のリスクにも翻弄されそうです。こうした点からも物価高はしばらく続くものと考えられます。

 

 国内の不動産市場は、大都市圏を中心に高止まりが続くことが予想されますが、地方では調整局面に入る可能性も考えられます。絶対的パイの大きい大都市圏と比較し、地方都市では賃金の伸び悩みが課題であり、高騰する地価と建築費を吸収しきれなくなりつつあります。仮に地価が多少下がったとしても、建築費の上昇は続き総体的に高値相場は続くと考えられます。

 

 もちろん、負の側面ばかりではありません。国内では、団塊世代が一斉に後期高齢者を迎えるなど、個人資産においても流動化が加速することも考えられます。例えば、相続の発生や老後資金の確保、また、個人投資家の間では資産の組み換えや早期投資回収などの考え方が先行し、不動産流通市場は活性化するとの見方もできます。昨年あたりまでは、転売目的の不動産取引が高値を誘引してきましたが、転売に次ぐ転売で割高な物件がだぶつき、市場が冷静に反応し始めたように思えます。相場を逸脱した物件の在庫は増加し、相場に右倣えの時代から、資産性と高付加価値の融合がより重視される正に淘汰の時代に突入するものと考えられます。私どもは、長年街づくりを掲げ、ワンストップの不動産サービスを心がけて参りました。経験に裏打ちされたノウハウと市場を開拓してきたフロンティア精神で、時代の変化こそチャンスととらえ、オールラウンダーとしての底力を発揮できるものと確信しております。一例を挙げるならば、ゼロベースから事業の組み立てや、広告に依存せずにより希少性の高い物件情報と顧客のマッチングなども当社の得意分野であります。

 

 本年も、Mission2025を軸に社員一丸となって皆様の良きアドバイザーとして業務に邁進して参りますので、変わらぬご支援のほど宜しくお願い致します。結びに、令和7年が皆様にとりまして幸多き年となりますことを祈念致しまして新年の挨拶と致します。

 

Mission2025

仕事とは課題の達成であり、常に物事の本質を理解し、自主的に責任ある目標を掲げ前進するならば、必ず逆算行動が生まれ成果を得ることができる。