2022年10月 vol.251

2022年10月07日

秋空に誘われ歩いていると、庭先から届くキンモクセイの香りが心地よく感じます。季節は10月に突入しました。今年も早いもので残すところ3ヶ月となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 度々、渋谷あたりに足を運ぶ機会がありますが、9月後半からコロナ前の賑わいを取り戻した印象を受けます。一等地の空きビルの回復にはもう少し時間がかかりそうですが、外国人観光客も目立ちはじめ、全国旅行支援の実施など、秋の行楽シーズンは大いに盛り上がることでしょう。希望的観測になりますが、マスク生活から解放され日常を取り戻す日もすぐそこまで来ているはずです。

 

 さて、このスペースをお借りしてひとこと言わせて下さい。10月1日朝、元プロレスラーのアントニオ猪木さんがお亡くなりになりました。私の中で矢沢永吉はスーパースターであり、アントニオ猪木はスーパーヒーローです。子供のころ、テレビの向こうから伝わる猪木VSアリの緊迫の一戦を目の当たりにして以来、憧れの存在でした。時代は移り変わり今や総合格闘技というジャンルが確立され、プロレスの立ち位置も変わりましたが、格闘技界のカリスマとして輝きを放ち続け、死の直前までアントニオ猪木を演じきった彼の生きざまに最大の賛辞を送るとともに、心よりご冥福をお祈り致します。

 

 それでは、不動産の話題に移りましょう。国交省は9月20日に7月1日時点の基準地価を発表しました。基準地価は、毎年春に公表される1月1日時点の公示地価を補完するものです。都道府県の地価は、住宅地の全国平均が前年比プラス0.1%で、プラスに転じるのはバブル崩壊前の1991年以来となるそうです。商業地も0.5%上昇、全用途でも0.3%の上昇となりました。実感がないとお感じの方も少なくないと思いますが、それは高度経済成長期やバブル期のように均一に地価が上昇しているわけではないからです。春先の固定資産税が昨年と比べ上昇していれば地価上昇の影響と言い換えることができます。昨年は3年に一度の固定資産評価の評価替えの年でしたが、コロナ禍による特例で年税額が据え置かれました。今年は特例が無くなり課税標準額が決定されていますので、負担増に感じた方も多かったと思います。特に我が宮城県は東日本大震災から地価上昇が続き、上昇率は全国トップクラスです。実務的な感覚ですが、バブル崩壊後地価は下落の一途を辿ったわけですが、仙台圏ではリーマンショック前のITバブル付近で地価は一旦底を打ったと記憶しています。その時点を基準にすると、住宅地も商業地も総じて倍まで価格を戻し、所によってはバブル期超えの地点も珍しくありません。

 

 ただでさえ、日本の不動産は他の先進国と比べ割安だと言われ続けてきましたが、ここ数ヶ月の急激な円安と世界的なコロナ禍からの回復を受け、日本の不動産が再び注目を集めているようです。特に東京や京都など、世界的に知名度の高い都市の不動産には今後も熱視線が注がれることでしょう。国交省のコメントでは「経済活動の正常化が進む中、東京圏や名古屋圏の他、札幌・仙台・広島・福岡の地方4市などを中心に地価の回復傾向が全国的に進んだ」とされていますが、世界からの注目度では、札・仙・広・福の地方4市の中で仙台の知名度不足は少々気になります。

 

 昨今では、首都圏の新築マンションの平均価格がバブル期を超えたとの報道を耳目にしますが、それでもマンションは売れています。景気が良いわけではありませんが、一因として低金利があるのは私が説明するまでもありません。そして、もう一点は働き方の変化だと言えます。女性の社会進出が本格化し、夫婦共稼ぎによるダブルインカムが需要を後押ししていると考えて良いでしょう。もちろん、土地に限らず建築費もウッドショックやウクライナ危機など外的要因や国内の労働力不足を背景に段階的な値上げが続いています。住宅性能も格段に向上しているので、価格上昇分は多少相殺して考えることができます。また、賃貸住宅の建築費上昇も例外ではなく、過度な投資利回りは期待できません。投資効率や耐用年数の向上で中古物件はもっと見直されることになるでしょう。