2016年1月 vol.171

2016年01月10日

 明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。


 昨年は仙台市内の新たな交通の要地下鉄東西線が開業し、都市機能の充実と大都市としての更なる飛躍が期待されておりますが、その陰では、東日本大震災から5年が経過しようとしております。政府の集中復興期間は終了しますが、地域ごとに抱える問題は様々で復興の地域間格差も生じております。隅々まで復興の実感が行き渡るにはもうしばらく時間の経過を待たなければならないようです。こうした中、ほとんどの自治体において仮設住宅の打ち切りを予定しており、賃貸市場の新たな動きが予想されております。
 

 全国に目を向けると、大企業を中心に好業績が続き、更なる景気回復に期待する声が多く寄せられております。日本経済自体は着実に前進しているように見えますが、中国経済の懸念や海外情勢等いくつかの不安要素と常に背中合わせにあり視界良好とはいかないようです。
 

 我々不動産業界においては、来春の消費税増税を目前に控え、消費者心理がどう影響するかにも関心が高まります。住宅の請負契約や新築マンションの販売に関しては、9月末までの契約が現行税率8%のタイムリミットとなります。もちろん、駆け込み需要に期待はできると思いますが、価格の高止まりが続く中、増税後の市場の変化を様子見しようとする買い控えが広がれば、期待値ほど市場は伸びない可能性もあります。これまで、不動産市況は景気回復への期待感と低金利に下支えされた高い需要が各社の用地取得を積極的にさせ、建築費高騰も重なり販売価格は上昇を続けてきました。今買わなければ損というムードが市場を後押ししてきたのです。そのため、昨年あたりまでは物件の在庫の有無によって各社明暗が分かれたように思えます。いわゆる売り手市場です。ここからは、徐々に買い手市場に移行しつつあるような気配を感じています。外国人や超富裕層は別格として、実需のアッパーは決まっており、現環境下におけるこれ以上の需要の掘り起こしは難しいと私は分析しております。
 

 こうした不安材料も少なくありませんが、当社では本年を将来の安定経営に向けた基盤作りの年と位置付け、積極的な投資を行ってゆく考えでおります。デフレ時代には、持たない経営が功を奏し安定した経営を続けることができましたが、時代がインフレ局面へと変化する中においては資産の含み益を上手く活用できない歯がゆさも経験しました。しかしながら、高騰する不動産市場での資産構築には限界がありますので、焦らずバランスのとれた投資が必要と考えております。
 

 また、大郷町には新たに太陽光発電施設を増設する予定の他、市内では既にコインランドリーやコインパーキングの新設を数カ所予定しており、今後の人材不足にも対応できる収益構造を構築する考えでおります。更に収益不動産の確保も積極的に行いながらキャピタルとインカムの双方を確保したいと考えております。賃貸部門では、店舗等の企画との組み合わせによるサブリースの充実を図りながら、一般管理と仲介を強化するつもりです。昨年あたりから賃貸の需給関係は震災前に戻りつつあると言っても過言ではありません。新築や築浅の物件においても賃料水準が上昇した分、入居は簡単ではなくなりつつあります。このような環境下においてこそ情報の集約に特化し、多くの問い合わせを集められるような仕組み作りが急務と捉えております。次に住宅の販売においてですが、従来の販売代理事業や宅地造成に加えて、ワクワクするような発想で新築物件やリノベーションを手掛けて参ります。既にアイディアが頭の中を駆け巡っており実現が楽しみです。
 

 本年は次のMISSIONのもと、皆様のお役にたてる仕事に携わって参りたいと思いますので、変わらぬご支援のほど宜しくお願い致します。
 


MISSION2016
我々は、次の未来に向けて挑戦を続け、掲げた高い目標の達成は日々の努力の延長線上にのみ存在することを認識し行動する。
物事を成し遂げようとする強い意志と覚悟をもって業務に取り組み、高い志と緊張感により、あらゆる可能性を創造し高付加価値を生み出し提供する。