2014年4月 vol.150

2014年04月10日

 おかげ様で節目の150号となりました。そよ風が春の訪れを感じさせる今日この頃です。街には新社会人の初々しい姿が目につきます。新たな立場や環境で新年度をお迎えになられた方も多いと思いますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。


 さて、4月から消費税が増税されましたが、もう既に負担感を実感されましたでしょうか。高額な買い物は3月までに済まされた方も多いと思いますので、日常の買い物ではまだまだ実感も少ないと思います。それにしても、慣れない数字に店側も消費者側も少なからず違和感を抱いているはずです。いっそのこと10%の方が計算も楽だしなどという発想は、ちょっと乱暴すぎますね。私どもの場合、取り扱う商品が高額なだけに3%の重みを痛感しております。お客様にとって2000万円の建物で60万円の負担増となるわけで、ちょっとしたカーテン・照明・家具・家電を一新できるくらいの金額です。これをコストの一部と思えるまで、まだまだ時間が必要のようです。
 

 消費税も上がりましたが、世の中、物価も大企業の賃金も上昇傾向にあります。世間のムードがそういうことを容認できるようになりつつあるのだと思います。株価は1万4、5千円付近を行ったり来たりしておりますが、ここで株価がもう一段階上昇すれば、脱デフレ色が鮮明になると思うのですが。株価が今の水準を突破できなければ経済の限界に市場が反応する恐れがあり、せっかくのムードに水を差すことにもなりかねません。こうした意味においても上場各社の決算発表に注目が集まります(過去の消費税導入、増税の際は、株価は大きく値を下げています)。
 

 不動産関連では、先月、公示地価が発表されました。こちらも大都市を中心に上昇に転じております。地価上昇は実に2008年以来6年ぶりの出来事だそうです。国交省では、今回の地価上昇を受け、「投機マネーによるものではなく、実体経済を反映したもの」とのコメントを出しております。もちろん、これ以上地価と建築費が上昇しても、それを販売価格や賃料で吸収するのは難しく、地方になればなるほど地価上昇シナリオは描きにくくなります。
 

 今後も都市のポテンシャルが土地需要を創出し、経済のけん引役になることが期待されますが、一方でその都市でさえ大きな問題をいくつも抱えています。都心回帰により郊外の住宅地は下げ止まりの兆しはあるものの、地価上昇に転じるとまではいきません。都市の中においても、都心と郊外の需給関係による二極化が加速しているのです。更に地価が上昇すれば、来年1月1日以降には相続税の増税が予定されており、土地に対する相続税上の評価が上昇します。結果として課税対象者が増えますので手放しでは喜べません。
 

 現在の地価は、バブル期の半分程度の水準にあると言われています。ほとんどの地点で当時の水準を回復することは考えがたいですが、それでも当面は大都市を中心に地価上昇が続くものと考えられます。問題は中身です。理想形は、地価や建築費が上昇する中においても価格や賃料に転嫁できるくらいの市場が形成されることなのですが・・・。