2013年11月 vol.145

2013年11月10日

 伊豆大島では、記録的な台風被害により多くの尊い人命が奪われました。現地では未だに行方不明者の捜索が続いており、ご家族、ご遺族のご心痛を思うと言葉がありません。ただただ、一日も早い復興をお祈り致します。


 さて、東北楽天ゴールデンイーグルスが球団創設9年目にして悲願の日本シリーズ初優勝の快挙を達成しました。この日本一の栄冠はまさにドラマティックであり、多くの人々に希望と勇気を与えてくれました。そして、このパワーが復興を目指す東北仙台にとって大きな原動力となることは間違いありません。
 

 思い起こせば球団が宮城に本拠地を構えることが決定した時、当初は勝敗よりも東北にプロ野球球団ができるという物珍しさから、経済効果やエンターテイメント的な要素ばかりが取り沙汰されました。しかし、地域に根差した球団経営と選手たちのひた向きな姿勢は着実に地元のファンの支持を集めました。球場で観戦された方々も多いと思いますが、最初は寄せ集めの集団です。勝敗はさておきその雰囲気を楽しむ傾向が強かったと思います。しかし、近年、特に今年は明らかに球場の雰囲気が違っていたと思います。これまで以上に選手の一挙手一投足にファンが敏感に反応するようになったのを感じるのは私だけではなかったはずです。明らかにファンの野球を見るレベルもアップし、勝負に対しシビアになってきました。それが、Kスタ宮城の独特の雰囲気を醸し出しているといってもいいと思います。
 

 今回の日本一では、選手や監督が脚光を浴びるのは当然のことですが、もう一人の立役者として球団社長の影の功績をたたえる声があります。ここから先は、ある経済誌の記事を不鮮明な記憶をつなぎ合わせてご紹介したいと思います。事実と大きく異なることは無いと思いますが、誤りがあればお許し下さい。
 

 現球団社長が就任したのは昨年8月のこと。実に就任一年目にして優勝の栄冠を手にしたことになります。彼は外資系の証券マンで、球団オーナーの誘いを受け社長に就任したわけですが、実は、ラグビー出身のスポーツマンとはいえ野球に関しては全くの素人でした。就任の際にオーナーから与えられた使命はふたつ。球団の優勝と経営の黒字化でした。その使命を受け、社長就任後彼が真っ先に取り組んだのがデータの解析です。なぜ勝てないのかを徹底的に検証した結果、失点数は決して多くないのに対し、得点力、特に本塁打数に関してはリーグ最下位であることが判明しました。そこで、選手を補強するうえで長距離打者の獲得を優先することにしました。その結果が、大物メジャーリーガーの獲得です。しかも、新外国人一人では孤立してしまう恐れがあるので、外国人助っ人をもう一人起用し実力者が存分に力を発揮できるよう環境作りにも配慮したのです。大物外国人の参加により、周りの選手達も刺激を受け、みんながプライドをもってプレイするようになったようです。
 

 その狙いが的中、その後のチームの快進撃は今さら説明するまでもありません。彼は、チームを強くすることによりファンを増やし、会場に足を運んでもらう機会を増やしました。結果として球団の黒字化に成功し、その重責を果たしたのです。組織はトップ次第。それを象徴するような一コマでした。気の早い話ですが、来期は王者として敵を迎え撃つシーズンとなります。ますます経営手腕の見せ所です。