2013年10月 vol.144

2013年10月10日

 全国的に記録的な猛暑が続いたせいか、10月だというのに秋の気配がまるで感じられません。こうした状況に、急きょ、クールビズを延長する企業も少なくないようです。当社はと言いますと、10月1日よりネクタイを着用し奮闘中でございます。


 さて、2020年東京オリンピックの開催が決定しました。その余韻も冷めやらぬうちに、首相は消費税の増税を予定通り行うことを決断しました。国内世論と経済の見通しも去ることながら、国際的には約束を果たし体裁を保った形となります。この消費増税ですが、意外にも市場の受け止め方は冷静のような感じがします。増税規模にしますと、橋本内閣の現行税率への引き上げ時と同規模と言われていますので、当時からの経済の低迷を考えると決して楽観ばかりもしていられません。加えて気になるのが、中国経済の失速、米国のデフォルト問題で、これら外的要因による景気減速シナリオも否定できません。
 

 その東京オリンピックについては、国民それぞれが7年後の自分と重ね合わせ思いを巡らせたことでしょう。既に招致活動が大詰めを迎えるころには、外国人投資家の目は東京に向いていたようで、不動産や株などが投資対象となっていました。アベノミクスはこれらを予見していたのか、多くの偶然が重なったのかはわかりませんが、何れ、世界の中において我が国がかつての輝きを取り戻す上において最大かつ最後のチャンスが到来したと言っても過言ではありません。もっとも、高度成長期の前回の東京大会とは、置かれている環境が異なるわけですから、2020年大会後の経済の持続こそが課題とも言えるでしょう。
 

 そんな中、早くも囁かれているのが被災地の復興の遅れを危惧する声です。確かに人件費と資材は高騰するばかりか確保が困難なことも事実です。加えて、地価も高値安定傾向にありますので、マンションや建売住宅なども価格転嫁せざるを得ない状況にあります。しかし、首都圏と違い所得層のアッパーが限られる地方ではそれにも限界があります。特にコンクリート造の建物の工事費アップは顕著で、事業採算が合わず事業主やデベロッパーが手をこまねいている現状があります。市場のニーズがあるだけに歯がゆい状態にあると言えます。これまでは、復興特需が一段落するであろう向こう2、3年間はこのような状況が続くと考えられていましたが、オリンピック開催決定後、7年間は現在の水準で推移するのではないかとの憶測が早くも飛び交っています。元々、国土強靭化計画で被災地から職人が関東などに分散するとも予想されていましたので、一層、職人と資材の争奪戦が激化しそうです。視点を変えてみると建築費の高騰が地価上昇にブレーキをかけているようにも見えます。
 

 こうなると、脚光を浴びるのが中古市場ということになります。中古のビルやマンションは少々利回りが低くても取引が成立します。前述の環境に加え、これらを後押ししているのが景況感の回復による投資マインドの向上でしょう。ここには、近い将来人口減少を控えている国とは思えないほどの活況ぶりがうかがえます。今後の世界経済の動向を考えると、日本への投資が安全かつ、リターンも期待できるというのが海外からの評価かもしれません。まさにジャパニーズドリームに向かってまっしぐら。そのバブルが脆くも崩壊しないことを祈りたいものです。