2013年2月 vol.136

2013年02月10日

 年が明け早いもので一ヶ月が経過しました。例年なら節分を迎え、季節の変化を感じる時期ですが、今年は各地から雪の便りばかりが届いて参ります。春待ち遠しい今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?


 さて、昨年暮れの政権交代前夜から株価上昇と円安のニュースが毎日のように伝わってきます。今のところ、景気への期待感が先行した形ですが、その世間のムードを心地良く感じるのは私だけではないはずです。でも実は、我々日本人は失われた20年を経験し、企業も消費者もデフレに慣れてしまっており、昨今の潮流の変化に、ある意味戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。  
 

 不動産の世界では、被災された方々の買い替え特需にも一服感が見え始めており、昨年後半あたりからは、消費税の駆け込み需要が始まっております。請負契約ベースでは9月契約分までが現行税率の適用となるため、秋以降の市場の変化と向き合いながら各社が戦々恐々としているような状況です。機会がありましたら、今後の動向についても予測してみたいと思います。
 

 我が国では、2006年の第一次安倍内閣以降、実に1年単位で総理大臣が入れ替わるという異常事態が続いてきました。その間、景気も底辺を彷徨ってきましたが、人間なんていうのは身勝手な生き物(少なくとも私は)で、景気が良ければ誰も文句を言わくなるものです。その証拠に、最近ネガティブな政治ネタが少なくなったような気がしませんか?安倍政権には目先の景気回復だけにとらわれることなく、長期的なビジョンを明確に示し、日本の再生に取り組んでもらいたいものです。 
 

 皆様は、次のような戯れ歌をご存知でしょうか。「織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに喰うは徳川」。天下統一を成し遂げた三人の武将を喩えたものです。それぞれに強烈な個性の持ち主でしたが、我々日本人は、世の中が行き詰まると織田信長のようなカリスマの登場を求める傾向にあると言えます。それもみんな、何かを変えてくれるとの期待感の表れだと思います。ところが、改革というと聞こえも良いのですが、どうも日本人は飽きやすいらしく、安定を選ぶ民族だとも言えそうです。そういう意味においても、今の世には徳川家康のような情や知恵を持ち合わせ、長期的な戦略を立てられる安定型のリーダーこそが相応しいのだと思います。
 

 戦国武将というと、戦での戦略を引き合いに出し、評価する方が多いと思います。その方が説得力があり分かりやすいからでしょう。今回、私は次のような逸話に触れてみることにしました。この点は多くのリーダーが学ぶべき点で、家康の懐の深さを知ることができます。家康が将軍の座を二代秀忠に譲り、駿府(静岡市)を隠居の場に選んだ後の話です。すると城下は大いに賑わい、妓楼が立ち並びました。家臣たちも妓楼に通い詰めとなり、身を滅ぼす者も現れたそうです。事は時の町奉行が家康に対し、町を移すよう進言するほどの事態にまで発展しました。ところが、町を移せば周りの商売にも影響を及ぼしかねないと危惧した家康は、城下の人々を集め、その中に遊女達を招き、踊りを披露させることにしたのです。ここからが家康の真骨頂です。その中から特に最近もてはやされている遊女と面会をし、帰りに土産を持たせるという奇策に出たのでした。その際に、「上様も立ち寄る機会があるだろうから、その際に召し上がるので心しておくよう」と伝えさせました。すると、その噂が城下中に広がり、家臣達の妓楼通いが収まったとされています。万一、家康が妓楼に立ち寄るようなことがあれば、遊女が家臣達の秘密を漏らすかもしれないとの恐怖心を植え付けたのです。家康がいかに心理を読んで行動をとり、事を穏便に治めたかがうかがえる一面です。

 最近では、残念なことに我が国の政治家の中に、このようなカリスマ性を持った人物がめっきり減ったような気がしてなりません。