2012年7月 vol.129

2012年07月10日

 西日本、特に九州地方では大雨による被害が多数報告されておりますが、皆様の地域はいかがでしょうか?宮城県内は、梅雨前線が西日本に停滞している関係からか比較的空梅雨の模様です。


 さて、消費増税をめぐり政治は混乱し、それぞれの思惑が入り乱れ、国民不在の中早くも泥仕合の様相を呈して参りました。昔から政局をめぐり様々なドラマが繰り広げられてきたわけですが、時代がダイナミックに変化するような期待感が年々薄れているような気がしてなりません。それだけ実力のある政治家が少なくなったとも言えるでしょう。
 

 私自身、消費税増税には賛成です。それは、これほど平等な税金は無いと思っているからです。それにしても、タイミングと手法が悪すぎる。このまま消費税が増税となれば、経済の失速は避けられそうにありません。施行前の駆け込み需要が終わり、増税直後ともなれば一時的な売り上げの落ち込みも予想されます。おそらく供給側は企業努力で増税分を本体価格の値下げで抑えようとするはずです。一言に企業努力と言っても、メーカーや物流、人件費、家賃等で関係者に協力を求めることであり、全てにしわ寄せが及ぶ可能性があることは容易に想像できます。社会全体がこの流れに陥ったら悪循環そのものです。長引くデフレで社会全体が抑えるべきところは非常にシビアであり、結果として供給側が更なる値下げに舵を切らざるを得ません。経営者はデフレ脱却だと言いながら、自らが先頭に立って安売りの旗振り役をしています。実に皮肉なものです。


 ある専門家が次のような指摘をしています。「日本の企業はデフレに慣れてしまい、コストを下げることしか考えていない」と。ようするに、良いものを提供するのだから、それをなぜ高く売る努力をしないのかということです。自動車でも家電でも韓国や中国勢が世界を席巻しつつあります。後発のメーカーは、パイオニア企業が成功したマーケットに更に競争力のある価格で殴りこんでくるわけですから、優位なのは当たり前です。しかも市場が形成され需要が約束されているため失敗も少ない。為替変動だけでなく日本企業が苦戦を強いられているもう一つの理由です。
 

 格安航空会社LCCの登場はインパクトがありましたが、早くも各社が参入しローコストの中で更なる価格競争が起きてしまっています。商売の仕組みを大きく変えたと言っても過言ではないアウトレットモールもここにきて伸び率が鈍化しているそうです。デパート業界は、この夏のバーゲン商戦を開催時期を分散することで消耗戦からの脱却を図っており、その結果に注目が集まっています。コスト競争は更なる激化を生みそうです。
 

 こうした中、コンビニ各社の売り上げが好調です。こちらは、プライベートブランドによる価格志向商品の充実が加わったものの、基本的に従来の定価販売路線を崩していません。そこにデザートや弁当類の商品力向上も奏功し、結果として幅広い世代に利用客を広げることに成功したことが要因と言われています。特に時代の移り変わりの中で閉店していく地域商店の代わりとして、地域には欠かせない存在となりました。その地位を決定付けたのが震災後の対応だったでしょう。チエーン店のメリットを生かし早期に店を開店させたことにより、これまで利用頻度の少なかった高齢者層を獲得できたことは大きな成果だったと言えます。

 東京ディズニーリゾートも同様に、震災後に過去最高の入場者を記録しました。これまでも新しいアトラクションの投入など付加価値を提供することへの投資は惜しまず、各地のテーマパークが苦戦する中、結果として長い時間をかけて入場料金の値上げにも成功してきました。
両者とも、付加価値を売ればまだまだ国内でも生きる道があるということを証明した形です。