2010年9月 vol.107

2010年09月10日

 9月に入ったというのにまだまだ暑い日が続いております。それでも朝晩の涼しさに徐々にではありますが秋の気配を感じる今日この頃です。皆様はいかがお過ごしでしょうか。


 民主党の代表選挙。日本経済が瀕死の危機にさらされているというのに、同じ党内でこれだけ違う政策の議論が行われているのはいかがなものでしょうか。しかもその支持も党内を二分する様相となってきました。それならいっその事、互いに別々の道を歩んで国民のために議論してもらった方が我が国の将来にとって良いのではないでしょうか?
 

 さて、我が国の経済の仕組みを次のように例えた方がいらっしゃいます。中央と地方の景気は飛行機の胴体と同じだと。要するに、景気が良くなる時は先端から最初に浮上(離陸)し、悪くなる時は後方から最初に落ちてゆく(着陸)。先端を中央経済、後方を地方経済と位置付け飛行機の離発着に例えたのです。昔なら東京が良くなってきたので、その余波が1年、2年遅れて地方にやってくるというのが通説でした。景気が下降局面の時も東京に遅れること同様でありました。ところが最近は東京の景気が悪くなる前に地方が日の目を見ないまま急降下してしまう傾向にあると思います。
 

 都内ではマンション販売が好調と聞いています。また、海外からも安全な円を買う動きと同様に日本の投資用不動産への信頼が回復しつつあると言われています。それは、諸外国に比べれば我が国の不動産は相場の浮き沈みが少なくリスクが低いと評価されている証拠でもあります。前述の余波が地方へと波及するのでしょうか?とても興味深いところです。投資の世界では、ファンドマネーが都内の一部の投資用不動産に集中し、その結果相場が押し上げられ投資利回りが低下傾向にあると伝えられています。競り負けた個人投資家などの資金が地方に向けられるとの見方もあり、地方都市の物件でも利回りが良ければ投資の対象になる可能性を十分に秘めているとの期待が広がります。一方、相場より安い土地でもその使途が明確でない限り、「安いから買っておけ」的な発想には中々発展し難いものがあります。例え絵を描いても計画通りに行かなければ、その土地の価値を見出すことは困難なわけで、いわゆる開発型では現状の仙台市内の空室率を考えると誰も怖くて手を出せないのが現実です。
 

 住宅はどうでしょうか?都内と地方では人口規模が違います。現在、住宅市場を支えているのは団塊ジュニア世代であることは言うまでもありませんが、都内では高収入世帯の割合も数でも地方を圧倒的に上回ります。そのような若い世代が買い時と判断してマンションを買い求めているのでしょう。確かに以前に比べれば、遊休地のリストラ等により、利便性の高い立地を高度利用したマンションが多数供給されています。建築技術は格段に向上し、快適性や性能も向上しています。更に低金利と優遇税制等も加わり平均所得は下がっても実質的な割安感では今の方が確実にお買い得と言えます。だからこそ持っている方にとって買わない理由はないのです。一方、地方では当然のことながら高所得者のボリュームが極端に小さくなります。以前は土地の相場+建築費+適正な利益で物件の価格が決まっていた時代でした。ところが今は消費者の所得に目線を合わせ売れる価格-建築費-低利益で土地の仕入れ価格が決まってしまいます。とは言え、土地の仕入れ値にも限界がありますので、そこに供給側と需要側との需給ギャップが生じてしまう。正に「欲しいけど買えない」現象です。ここではほんの一例を挙げたまでですが、そこからも住宅市場が首都圏のようにV字回復することはあまり期待できないことがうかがえます。皮肉にも前述の飛行機の胴体のようです。