2010年7月 vol.105

2010年07月10日

 梅雨真只中の日本列島各地でゲリラ豪雨等の被害が報告されておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。真っ赤な太陽と青い海、日本の夏もすぐそこまで迫っております。


 さて、新首相の所信表明では、「かつての日本は何も無かったが希望があった」と戦後の日本復興の勢いを象徴するような発言が印象的でありました。政権が交代して10ヶ月余り。これまでも民主党は数々の問題を提起してきました。それにより明るみになった数々の問題もあります。国民は当然不安や不満を抱くわけですが、問題は公にしたものの具体的な対策が打たれない。これでは病名だけ告知され放置された患者も同然です。加えて理想が先行するあまりその財源の確保に追われる始末。諸問題の根深さと見通しの甘さとの溝。結局残ったのは国民の失望や閉塞感だけのような気がしてなりません。
 

 例の事業仕分けでは我が国の技術に関してナンバーワン以外では駄目なのかとの意見が物議を醸しました。一方である政党はしきりに「いちばん」を掲げ選挙運動に躍起になっています。私は一番を目指すべき理由を次のように考えます。つきなみな例ですが、日本一高い山は富士山であることは誰にでも分かりますが、二番手の山を答えられる人は意外に少ない。我々の日常生活の中においても次のようなことが言えないでしょうか。例えば牛丼チェーン大手の吉野家。最近では二番手以下の追随を許してしまい、首位の座こそ明け渡し圧倒的な地位こそ薄れてしまいましたが、未だに業界のシンボル的地位に君臨しています。味という点ではどうでしょうか。好みの問題は別として、多くの方の感覚に牛丼イコール吉野家の味とインプットされていると思います。だから他チェーンの味はもちろん、仮に高級店の牛丼と比較した場合でも判断基準となるのは吉野家の味になるのだと思います。同じく外食チェーン大手の日本マクドナルドのハンバーガー。他店のこだわりハンバーガーを口にした際に思わず違和感を抱いてしまう方も多いのではないでしょうか。それは馴染みのマクドナルドの味が基準にあるからに違いありません。美味い不味いという判断基準以前に、味やサービス、スタイルといった点において絶対的なスタンダードとなっているのがナンバーワンの存在だと思うのです。
 

 日本は今アジア人観光特需でかつての賑わいを少しだけ取り戻しつつあります。しかし、日本国内では嗜好性の多様化などで売れ筋商品の絞り込みが難しくロングセラー商品も生まれにくい環境にあります。その状況下において特に中国人観光客はおみやげ物に実用品更には贅沢品に至るまで様々な消費を下支えしています。また、多くの分野においてもメイドインジャパンの品質が世界中で認められております。これも日本のモノ作り技術が世界有数のものだったからに違いありません。今では日本のサービスやおもてなしの心が世界的に高い評価を得ています。これらは日本が誇るナンバーワンの分野だからなのです。しかしながらその技術や地位も一朝一夕にして作り上げられたものではありません。日本人の気質と復興にかけた情熱とそれを誘導した国策によるところが大きいと思います。それを国民の代表である国会議員がいとも簡単にナンバーツーでは駄目なのかと疑問を呈すシーンに我が国の将来を悲観せずにはいられません。今取り組むべきは、国を挙げ我が国の得意分野を絶対的な地位に押し上げることだと思います。