2010年3月 vol.101

2010年03月10日

 バンクーバーオリンピックの閉幕から10日余り。西日本からは早くも春一番の便りが聞こえて参りました。東北にも春の訪れが待ち遠しい今日この頃です。


 「現代は不況ではない!」こんなことをおっしゃる方が中にはいらっしゃいます。その方にとってはそうなのかもしれませんが、その方が不況を感じないのは不況が追い風になっている数少ない人に違いありません。または、業績の悪化を不況のせいにするべきではないという自己暗示というか精神論なのかもしれません。しかし、精神論だけではいつか限界がきます。私は次のように思います。残念ながらあらゆるデータを見ても不況であることを否定することは出来ません。まずは不況であることを十分に認識する。むしろ平時と思って普段通りの経営をする方がもっと問題だと思います。それよりも、現状認識の中において、しかしそれを乗り切ることは難しいことではないと解くのが正しい理解だと思います。富裕層はモノ余りで消費しない、中間層は将来不安で生活防衛に走る、低所得層は消費したいにも先立つものが無い。市場のパイは縮小する、しかもその消費エンジンのレスポンスは鈍い。供給側に多くの退場者が出ても需給ギャップの解消には程遠い。これが我々に与えられた市場だと認識し、その中から勝機を見出すしかありません。
 

 加えて、世界でのトヨタ自動車におけるリコール問題、人ごとのように思えるかもしれませんが間接的に日本経済に影響しないわけがありません。また、国内の市場で勝負するほとんどの企業が過去の成長戦略からの転換を余儀なくされています。先進各国の経済が成熟期を迎えている現在において、各国は新興国へと生き残りの機会を求め競争激化は益々過熱します。既にこれまでの高付加価値商品から価格志向の強いものへと需要も変化していますので、日本企業の優位性も絶対ではなくなりつつあります。そう遠くない将来には、一部の勝ち組企業と大多数の負け組み企業とに二分されるのでしょう。
 

 生意気な言い方かもしれませんが、私共も不動産を扱わせて頂きながら得する方とそうでない方の微妙な特性を感じることがあります。特に現在のように市場が下降局面に突入している場合には、今を底と見るのか更に下落が続くと見るかでは売りも買いも悩ましい判断を迫られます。しかし、先読みをし過ぎるよりも今必要かどうかを見極めることが大事だと思います。結局、時代の変化を受け入れ、柔軟に対応し瞬時に決断をする方にのみ幸運の女神が微笑みます。タイミングを逸してから同じ行動をとったとしても女神に後ろ髪はありません。
 

 これまでアメリカの株価は、相場の上げ下げの中で常に最高値を回復してきた歴史があります。日本はどうでしょうか。平成元年の大納会でつけた最高値38,915円を未だに回復していないどころか、20年以上経過した現在もその4分の1程度の低水準を行ったり来たりしています。不動産相場でも住宅地は昭和58年ごろの水準と言われて久しくたちます。間もなく国土交通省は地価公示価格を発表しますが、全国ほとんどの地点で下落または横ばいとなることでしょう。株価と不動産、歴史に学び我が国の経済力の推移と将来を検証してみるのも面白いと思います。