2010年2月 vol.100

2010年02月10日

 「従来単発でお届けしていた事務通信も、少しでも皆様のお役に立てるよう微力ながら今号から不定期ではございますが、大きな目標をもって取り組むという意を込めて「気宇壮大」と題し発行させていただくことになりました。」 このフレーズからスタートした気宇壮大の第1号が発行されたのは2001年11月のこと。「継続は力なり」とは言いますが、あれから実に8年余り、当初は不定期発行の予定でしたが、結果として一月も休むことなく今日まで続けることが出来ましたのも皆様のお陰と感謝致しております。この執筆活動を通し、筆者は経営の舵をとる傍ら、激動の時代を的確にクローズアップしてきたと自負しております。今後は、益々の内容の充実を図りながら200号、300号を目指して努力して参る所存でございますので、末永いお付き合いのほど宜しくお願い致します。


 さて、最近は、自動車・電機等の製造大手各社の業績回復が連日のように報じられております。一方で、地方や中小企業の厳しい現状、あるいは株価や為替相場の推移からも推測できるように我が国の経済は依然として予断を許さない状況が続いており、外需回復で恩恵を受けるところは限定的と言えそうです。昨年末、政府は事実上のデフレを宣言しました。景気の回復とともにデフレは改善されるのでしょうか?答えはノーです。これほどまでにグローバル化が進んだ現代社会において、新興国の台頭は良くも悪くも先進国に様々な影響を与えています。デフレは単に国内経済の需給ギャップによるものだけではありません。今年は間違いなく中国が我が国を抜き世界第二位の経済大国へと躍進します。お隣韓国でもかつての日本のお家芸であった自動車・家電の分野において我が国を脅かす存在へと成長を遂げています。よく耳にする話があります。海外旅行経験のある方なら気がつくことでしょう、最近のホテルはテレビひとつを例に挙げても馴染みの日本製品ではなく韓国ブランドがその地位に食い込んでいます。主役が移りつつあることを象徴する一幕です。
 

 こうした中、我が国も出遅れてはいられません。昨年は、対米貿易が減少したのとは対照的に対アジア貿易の伸びが顕著です。どの国にとってもアジアの新興国市場は宝の山ですが、アジアにおける地位の確立こそがグローバル社会を生き残る鍵となることは言うまでもありません。今後も輸出依存度の高い企業は海外へと活躍の場を移します。また、製造の分野においても次から次へと労働力の安い国が台頭してきますので、企業の競争力は技術やマーケティング同様に製造拠点の「ポスト世界の工場」選択が競争力の源泉となります。
 

 ユニクロやニトリがデフレを助長しているかのような穿った世論も少なくないようですが、今後は価格志向に益々拍車がかかり、モノの価値基準が根底から覆って行くのではないでしょうか。ミニバブルとその終焉を目の当たりにし、一定の価値観を見出し自ら需要を喚起し消費者の嗜好をワンランク上まで押し上げるブランド戦略にも陰りが見え始め、消費者の目線に下りてそのボリュームゾーンでも利益を出せる仕組みを作った企業が勝ち上がったような気がします。所得水準の変化により両者は更に明暗を分けることになるでしょう。今後仮に市場が1割縮小したとします。皆が平均して1割の売り上げや利益を落とすわけではありません。その中にも拡大してゆくところと退場を余儀なくされるところが出てきます。当社も前者であり続けられるよう努力をしております。
 我々は、低成長の中で生き抜く覚悟と知恵を持ち合わせなければならないのです。