このコラムは毎月10日マックスホームで発行しているコラムの
一部を抜粋したものです。
気宇壮大
2016/07  vol.177
 早いもので今年も前半を折り返しました。梅雨空が続いてはおりますが、日本では四季を通じ様々な表情を楽しむことができます。時に雨に濡れた木々の佇まいも風情があって良いものです。とは言え、関東では水不足が伝えられ、九州では連日の豪雨、加えて全国いたるところで夏を思わせる猛暑を記録するなど、何とも不穏な天候が続いております。皆様体調には十分にご注意下さい。
 さて、今年も7月1日に路線価が公表されました。全国平均では8年ぶりにプラスに転じたとのことで、これはリーマンショックの前年以来の数値だそうです。東北では宮城県と福島県が上昇、他4県は低下に歯止めがかからない状況が続いているようです。宮城県の地価を押し上げた要因としては、仙台への一極集中ともいえる大規模開発が挙げられます。その仙台では、「あすと長町」「仙台駅周辺」の再開発エリアの上昇が顕著で街の勢いが感じられ、地価への波及を裏付けるに余りあるものです。仙台駅周辺では、エスパル東館がオープンし、仙台駅東西を結ぶ連絡通路の店先や人の流れはまるで首都圏を思わせるかのような活気に溢れています。加えて、7月1日のパルコ?のオープンにより、週末の人の流れは駅周辺へと大きく様変わりするのではないでしょうか。
 このような変化に昔ながらの商店街も危機感を募らせているのでしょうが、今や路面店のほとんどはファーストフード店やドラッグストア等のナショナルチェーンが中心で、小売店においては大型店内のインテナントとの重複も少なくなく個性という点で物足りなさを感じます。
 仙台駅周辺や東北道のインターから市中心部を結ぶ西道路では、他県ナンバー車の往来が活発です。隣県にある山形市内や福島市内からは高速で約1時間、完全な日帰り圏内です。家族連れや仲間同士の乗合で仙台を訪れる方は今後も増加するものと考えられますが、観光や宿泊等周辺へどのようにして相乗効果をもたらすかが課題と思われます。
 郊外の主役としては、あすと長町を挙げて異論はないでしょう。その変貌した様子は目を見張るものがあります。今後も大型施設やマンションが多数供給される予定で、名実ともに副都心としての発展が期待されます。また、昨年開業した地下鉄東西線沿線にも変化が出始めております。最近では、東西線沿線の東部エリアに学生がアパートを求めるケースも珍しくなくなりました。キャンパスまでのアクセスはもちろんのことですが、商業施設の集積によりアルバイト先も確保できるのも魅力の一端かもしれません。同様に東西線沿線の地価は軒並み上昇を示しており、これらの数値は一過性のものではなく、地下鉄効果による新しい相場が形成されたとの見方が正しいと思われます。
 景気の指標ともされるマンションですが、東京のようなインバウンド需要はあまり耳にしないものの、自己住居としての実需は底堅く、加えて投資やセカンドハウスとして地方の方が購入される例も多く報告されております。特にマンション各社が販売好調を背景に価格転嫁しやすい中心部の土地仕入れに積極的で、地価下支えの要因の一つになっているのではないでしょうか。以前もお話したと思いますが、価格も取引件数という点においてもピークは過ぎたと思われます。ところが、相場が高止まりしているのには、中心部の土地がここ数年では考え難いような価格で成約になっていることから、一部の取引事例が相場を押し上げているのではないかと思います。今後注視すべきは、中古マンションの相場です。上昇局面では新築価格が市場を先行しますが、下降局面に転じると中古市場が先行して値を下げます。期間にしておよそ6ヶ月の時間差です。もう一点、株の相場の世界には「閑散相場に売りなし」という格言があります。取引件数が少ない状況では、大きく上昇する要因が無い場合でも、相場は下がらないという意味だそうです。正に今の不動産市況にピッタリとあてはまるものです。
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